スポーツ障害
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スポーツ障害は、Over use syndrome(使い過ぎ症候群)とも呼ばれて、スポーツの種目の数だけ多種多様な障害があります。
例えば、野球肩(腱板障害)、テニス肘(上腕骨外側上顆炎)、野球肘やゴルフ肘(上腕骨内側上顆炎)、ランナーズ・ニー(腸脛靭帯炎)、ジャンパーズ・ニー(膝蓋靭帯炎)、シン・スプリント(脛骨の疲労性骨膜炎)、アキレス腱炎など、多種多様にあります。
これらは、直接的な外力が局所に加わったために起きる外傷(打撲、肉離れ、捻挫、脱臼、骨折)と違い、過度な繰り返しの動作による局所へのストレスのために起きた障害です。
しかし、そのスポーツや競技種目をしている皆が、必ずスポーツ障害を起こすとは限りません。同じ競技種目で、同じ練習をしているのに、障害を起こす者と起こさない者がいるという事実があります。
それはなぜでしょう。それは、つまり、その動作をしている時に身体のブレが起きて、身体の中心が動作の重心からはずれてしまっているからです。する と、運動の軸がずれて、運動の最中の筋肉━骨━関節の絶妙なコンビネーションが崩れてしまい、筋肉や骨、関節の局所にストレスが加わり、障害を起こしてし まうと、私は考えています。
例えば、「テニス肘(上腕骨外側上顆炎)」の発生機序ですが、私の考えは次の通りです。
- 何らかの原因による上腕三頭筋(とくに外側頭)のアンバランス(弱化)
- 上腕三頭筋の弱化による肘頭の関節包内での尺側偏位
- 尺側偏位による肘角のわずかな拡大
- 肘角の拡大による手首や指の伸筋群の筋長の短縮
- 筋長が短縮している状態で、ラケットを握る動作(この肢位は指の屈筋群だけでなく、手首や指の伸筋群も収縮している)を持続して反復していると、上腕骨外側上顆に付着している手首や指の伸筋群の腱に強い牽引力のストレスがかかる→腱の炎症(上腕骨外側上顆炎)
以上のようにして起こると考えられるテニス肘(上腕骨外側上顆炎)には、疼痛部位に対して対症的な処置を施し、発生機序の筋肉━骨━関節のアンバランスに対して原因となる心・体の働きのアンバランスを改善する処置を施します。
